鹿児島の生活 ことり日記

鹿児島在住、犬と猫とおいしいものが好き。

上町の知られざる名所 県民教育文化研究所(旧藤武邸)に行ってきた

先日、鹿児島市春日町にある「鹿児島県民教育文化研究所」に行ってきた。

 

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実はここ、ちょっといかめしい名前からは想像もできない風情のある数寄屋造りの日本家屋。もう何十年も前から行きたかった所なんです。

 

今から数十年前、この近くの若宮公園にはプールがあって、夏休みは子どもたちに開放されていました。私もよく通っていて、帰りに南洲神社の前にある本屋で漫画を買ったりしたもんです。

 

この頃から気になっていたのがココ。

大龍小学校の向かい、十字路の角にあり、ぐるりと囲まれた古い石塀の中には、庭木がうっそうと生い茂っていました。その隙間から見えるのはこれまた古い大きなお屋敷。敷地の隅には石蔵もあり、民家というにはあまりにも広大な敷地。

  

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「漫画やドラマに出てくる旧家みたい…」

でも、人が住んでいる気配もない。なんだろう、どうやったら中に入れるんだろう…

 

ず~っと気になっていました。

その後、「鹿児島県民教育文化研究所」という施設になり、たまに一般にも開放しているという話を耳に。訪ねる機会をうかがっていたところ、3月1日に「上町維新まちづくりプロジェクト」の主催で、ひなまつりサロンとして無料で一般に開放するとのこと。

で、今回ついに夢がかなったというわけ。

 

門から入ると左手に庭園と豪邸が見えてきます。うわ~広い!

 

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そもそもこの豪邸は今から80年程前に、豪商「藤武呉服店」が建設したもので、戦後は割烹旅館として使用されていた時代もあったらしい。

金釘を一本も使わずに建てられたそうです。

南向きで日当たりよさそう!

普段は池の水を抜いているらしいですが、この日は朝まで雨が降っていたせいか、池の中に雨水が溜まっていて、以前の庭の姿に近かったかも。

 

東側にある入口です。玄関だけで私一人住めそうなくらい広い…。

 

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教育文化研究所の看板は初代所長の作家・椋鳩十さんが書かれたそうですが、“究”の字がちょっと変わってる?

どうやら、ちょっと失敗しそうになったのを、うまくカバーして書かれたそうな。あの優しいお顔が浮かんでくるような茶目っけのある話ですね。

 

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現在この建物は教育相談等に使われているそうです。

廊下も素敵。天井が高~い!雰囲気あります。

 

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四方をしっかり建物で囲まれた中庭もあります。

 

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大きな日本家屋なのに家の中があまり暗くないのは、中庭があるせいかも。

 

お座敷にはお雛様。

 

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欄間も凝ってる。これは波かな?

 

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南側は長い縁側。ガラスが大きい!この時代にこんなに大きなガラスがあったんだ。

写真では分かりづらいですが、このガラスがちょっと歪んでいて時代を感じます。

 

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この奥左手、南西に張り出した一角はさらに広い縁側になっていて、椅子・テーブル・ソファー等が。

 

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私、和室に隣接する縁側の椅子・テーブルセットに弱いです。

古い旅館の和室とかでもありますよね。テンションあがります。

懐かしくって昭和な気分になるというか…

芝居がかった事をしたくなるというか…

 

白黒の昭和映画に出演しているつもりで

「いやだ、おばさまったら」

「おじさま、意地悪なのよ。いやンなっちゃう」

な~んて原節子ごっこをしたくなる。

(はっ‼ おばさんは私の方か…)

 

写真には写っていませんが、手前にロッキングチェアも置いてあって 素敵でしたよ~。

和室をL 字形に囲ってカーペットが敷きつめてあり、縁側と言うよりも、逆に大きな洋間の一部に和室を設けてあるような感じもしました。

また、ここの縁側と和室は段差をつけてあり、座った時にお互いの目線が合うよう工夫されているとか。

天井も手が込んでいる~。

 

一通り見学した後、庭を見ながらぜんざい(200円)をお供に一休み。

とっても優雅な気分。

 

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白玉入りで、お茶・漬物付き。おいしかったです。

 

長年思い続けていたお屋敷は予想通り、いえ予想以上に素敵な日本家屋でした。

また機会があれば行きたいです。

今度は2階にも上がってみたいな…。