鹿児島の生活 ことり日記

鹿児島在住、犬と猫とおいしいものが好き。

黎明館の山本二三展に行ってきた

鹿児島市の黎明館で7月18日に始まった「日本のアニメ―ション美術の創造者 山本二三(やまもと・にぞう)展」に行ってきました。

開幕から20日までの3日間は、先着200人に鹿児島会場特製うちわを配る、とのことだったので頑張って9時台に入場。間に合った~、もらえた。

 

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うちわの絵は山本二三先生の最新作で「屋久島 つながる生命(いのち)」というらしい。

鹿児島会場にぴったりの絵で作った団扇ですね。

 

会場に入ると、すぐお目当ての「未来少年コナン」の背景が!

懐かし~。そうそう、こんな地下の迷路みたいなとこをコナンが走ってたっけ。

毎週ドキドキしながら見てた。こ、これが原画か。

ふんふん、解説のパネルを読む。

ええ~っ、山本二三先生って24歳で「未来少年コナン」の美術監督をされていたんだ。若い!すごい!

 

私は今のアニメーションにあまり詳しくないのですが、30~40年くらい前まではテレビや映画で割と見ていました。

で、今回展覧会の説明パネルを読んでびっくりしたのが、その頃「すっごく面白い‼」と思って見ていた宮崎駿監督作品の背景は、すべて山本二三先生が描いてらしたこと。

 

未来少年コナン(1978)

ルパン三世カリオストロの城(1978)

ルパン三世 TVシリーズ(1977~1980)

 第145話「死の翼アルバトロス」

 最終話「さらば愛しきルパンよ」

 ※このTVシリーズはたまに見てましたが、この2話だけ飛びぬけて面白かった。当時はビデオデッキも持ってなかったので、偶然2話とも観れて本当にラッキー。絵柄も他の話と明らかに異なっていました。この2話のみ宮崎駿監督作品。

・名探偵ホームズ(1984)

 ※「風の谷のナウシカ」と同時上映。イタリアの国営放送との共同制作でTVシリーズを作成したものの、途中でお蔵入りになっていた作品。当時完成していた4本の中から「青い紅玉」「海底の財宝」の2本。ナウシカよりむしろこっちが好きで、こっち見たさに2回、天文館の有楽座へ行った。   

 

はあ~っ、30年以上前から夢中で見ていたのかあ。お世話になりました。

 

特に「名探偵ホームズ」は好きで好きで。

霧に煙るロンドンが、石畳がガス燈が…街並みがかっこよくて、ホームズの部屋の雑然とした所も素敵だったなあ。

それまで原作は子どもの頃に「赤毛同盟」くらいしか読んだことがなかったのに、文庫本を買ってきて全話読んだ挙句、数年後ロンドンのベーカー街へも行ちゃいました。

今はどうか知らないけど、当時はちゃんとホームズの部屋があって、ホームズの胸像の他、鳥打帽やパイプ、ヴァイオリンなんかも置いてあって感動しました。

エプロン姿のハドソン婦人も居て、ホームズの名刺まで配っていたんですよ。

  

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↑ 探してみたら、まだ持ってた。

 

山本二三展に話を戻します。

入口付近でのっけから感動した後、ずんずん進むと「火垂るの墓」が…

もう、イメージボードや背景みただけで泣きそうになる。

この映画以来、サクマ式ドロップスの缶を見ただけでウルっとしちゃう方も多いのでは。

 

他にも「時をかける少女」の背景、商店の入口の売り物の描き込みっぷりとか見どころ一杯。

映画館やTVで観る時は、原画のサイズをあまり意識しないけれど、A4サイズくらいのこじんまりした大きさの原画を見ると、このサイズで描いたものを大画面で観て感動させるってすごくない?と思いました。

 

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↑「時をかける少女」の絵はがき。この「二三雲(にぞうぐも)」いいですよね。

この前これTVで観て、「あ~、私も女子高生に戻りたいかも」って思ったけど、戻ったところでこんなキュンとするようなこと一個もなかったんだった。ははは…   

 

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↑ 同じく「時をかける少女」の主人公の家(絵はがき)。

新宿の林芙美子記念館がモデルだそう。 

こんな素敵な一軒屋でひと夏過ごしてみたい!

 

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↑ 長崎のグラバー邸(マグネット)。

山本二三先生は長崎出身なのですね。

海の方から吹きぬけてくる、爽やかな風までも感じられるような素敵な絵ですよね。

 

撮影コーナーもありました。どれも巨大です。

 

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↑ これはL字型になっていたので、いろんな撮り方が出来そう。

 

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↑ これ、うまく階段を降りていくように足を上げると臨場感出るかも。

 

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↑ これなんか女子高生が制服着て立つだけで、ポスターそっくりになっちゃうよ!↓

 

時をかける少女 限定版 [DVD]

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 特にこれ↑は、樹や草の部分がパネルになっていて、前後して置いてあるので、奥行きがあります。樹の蔭から顔を出したり、みなさん工夫して撮ってらっしゃいました。

 

大人の方で嬉しそうに撮影されてる方が多い!

ちびっこ向けの企画かと思ってましたが、巨大なので大人でも十分入り込めます。

一人でいらした方でも、係員さんにシャッターを押してもらったりしてました。

 

この展覧会、夏にしっくりくる絵が多くて、最近「暑い~」「蒸し蒸しする~」と、ぐったりしていたのが、帰る頃には「夏っていいな」「この夏を楽しまなきゃ」とちょっと前向きな気持ちになりましたよ。

 

黎明館 

7月18日(土)~8月23日(日)

9時~18時(入館は17時30分まで)

7/21,27,8/3,10,17は休館