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鹿児島の生活 ことり日記

鹿児島在住、犬と猫とおいしいものが好き。

柳家花緑 独演会に行ってきた

先日、南日本新聞社のみなみホールで開催された柳家花緑独演会に行ってきました。

 

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落語…子どもの頃は、いえ、中年になるまで寄席に行って聞いてみようなんて思ったこともありませんでした。

それが10年ほど前、鹿児島アリーナで「よしもとお笑いEXPO」を見に行って考えが変わりました。

そのイベントは最初に座長の桂三枝(現在の文枝)師匠のトークから始まって、その後、当時人気のあったテレビでよく見かけるお笑い芸人が1組5~15分ほどの持ち時間で次々出てきて、最後に吉本新喜劇、という内容だったと記憶しています。

 

その時は「テレビの人気者たちが近くで観られる!」というのを楽しみにしていたのですが、実際生のステージでは意外にもダントツで面白かったのが、桂三枝師匠なのでした。

もちろん私、すでに中年だったので年代的なギャップなどもあったのかもしれません。若い人の面白さについていけなかったのかもしれません。

でも師匠、素人さんとぶっつけでただ話しているだけのところでも、ものすご~く笑わせてくれて、3,000人も入っている“場”を見事なまでに全部持っていくのです。

若いお笑い芸人と違ってネタを用意しているわけでもなく、大声でリアクションするわけでもなく、おっさんが(失礼!)ただ普通にぼやいただけでなんでこんなに!?…とびっくり。

 

その時、お金を払ったお客さんを生の舞台で飽きさせずに笑わせ続けてきた落語家さんってすごいのかも、「師匠」と呼ばれるまで場数を踏んできた人ってすごいのかも…と思ったのが、落語を聴きに行くようになったきっかけです。

桂三枝師匠は6代目桂文枝を襲名した際の鹿児島公演にも行きましたが、やっぱりホント面白かった! また鹿児島にいらっしゃらないかな~、と思っています。

 

さて、みなみホールでは年に4回、「みなみ寄席」を開催しています。

 

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4人の噺家さんたちが、季節ごとに一人ずつ毎年訪れます。

会場もこじんまりしていて高座と近いのが魅力です。

現在のレギュラーは

柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)

柳亭市馬(りゅうてい いちば)

立川志らく(たてかわ しらく)

柳家花緑(やなぎや かろく)

…といった方々。

 

それぞれ個性的で毎年季節ごとのお楽しみ。

 

喬太郎師匠はふくよかですごく人が好さそうなのに、ちょっとブラックというか毒が見え隠れするそのさじ加減が好き。

市馬師匠は声がすごく良くて、落語の最中に歌を歌ってくれたりするんですが、聴きほれちゃいます。

志らく師匠は、一度お着物が届くのが開演に遅れてしまったアクシデントの時に、オープニングにラフな私服でハーモニカを吹かれた事がありました。

普段お着物の着こなしとか所作がすごく美しいのに、私服のくだけ具合がオシャレでグッときた。もちろん、談志師匠譲りの落語の実力は言うまでもありません。

 

そして花緑師匠はスピード感というか、駆け抜けていくような疾走感が大好き。

まだ40代前半とお若いせいか、マクラも流行りものをよくネタにされるのですが、今回は新作が封切りされたばかりの映画「スター・ウォーズ」でした。

いや~、ネタバレせずによくあんだけ面白くしゃべれるな~、さすが。

この日は二階の桟敷席までいっぱいの満員。

 

で、演目はこんな感じ ↓

 

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 時々、「あ、この噺、他の師匠で聴いたことがある」ということもあります。

この日の最後の演目、「文七元結」(ぶんしちもっとい) も以前志らく師匠で聴いたことがありました。

文七元結」は博打好きの父を改心させようと、娘のおひさが自ら吉原に身を売ろうとする年の瀬にぴったりの人情話です。

吉原のお店の女将の計らいで、来年の大みそかまではお客をとらないようにするが、期限内に借金の返済が出来なければお店に出すよ、という約束で父親は50両を受け取ります。

でもね~、その大事な大事な大金50両を、客から預かったお金をすられて絶望のあまり身投げしようとする文七にあげちゃうんですよね~、初対面なのに。

ダメじゃん!親父。

 

しかし、結局すられたと思ったお金は出てきて、すったもんだの末、文七とおひさが結ばれる…というハッピーエンドなストーリー。

 

昔、寝る前によく世界の童話や昔話を読んでいたのですが、なんかそれに似てる。物語に出てくる若者や少女は、最初の方では色々大変そうなんですが、最後、問題を解決したら、王女さまや王子さまなど素敵な伴侶と結ばれて幸せになるでしょ、そこら辺が共通しているなあと。

なんだか母親が枕元で長いお伽話をしてくれてるような感じで、わくわくしました。

志らく師匠版を聴いた時、「このお噺好きだな」と思っていたので、今回は花緑師匠版が聴けて嬉しかった~。

 

花緑師匠の「文七元結」は、じっくりとキャラクターを掘り下げる志らく師匠版より短かかったです。

でも江戸の風俗を噛み砕いてわかりやすく進めていく工夫とテンポのよさは、花緑師匠ならでは。涙より笑いが多くて、楽しかった!

おひさの母親が貧乏のあまり着るものがなくて、ついたての後ろから出られずあたふたする場面が可笑しくて。師匠の慌てる動きにキレがあって、すごく笑った。

 

15歳の寺子屋 落語が教えてくれること

15歳の寺子屋 落語が教えてくれること

 

 

↑ この本によると、花緑師匠は小学2年生からクラシックバレエと日本舞踊を習っていたそうで、だから動きが決まるのかなあと思ってみたり。

 

同じ噺でも、演者によって内容や演出…というのか語り口も違っているので、それぞれ違う味わいがあります。落語って、奥が深い!

 

 次回は柳家喬太郎師匠。

 

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私は小心者なので、お芝居とか観に行くと「大事な所でくしゃみ出ちゃったらどうしよう」とか「真ん中の席でお腹いたくなったらどうしよう」とか、しょーもないことをぐずぐず考えるタチ。

でも、落語は例え何かやらかしても噺家さんがさりげなく笑いのネタにするなどおおらかなので(開演に遅れたりケータイ鳴らしちゃったりした人に声をかけるとこ、何度も観たことある)、気楽に足を運べるのがありがたいです。

 

落語を聴くの、私もまだまだ初心者ですが、楽しいですよ~。